相模湾ゾーン前半にある「川魚のジャンプ水槽」は、当館では数少ない淡水魚の常設展示です。当時の日本ではまだ稀有だった「魚の行動展示」を目指して、川魚の遡上をご覧いただける仕掛けを盛り込んだ水槽です。
歳月が過ぎるのは早いもので、この水槽がオープンしてはや 9年。模造の岩や、バックの配管にちらほらと疲労が出てきていたので、ナイトワンダーアクアリウムが始まる前に補修することになりました。
6月末から 2週間ほど展示をクローズさせていただきまして、専門の業者さんに不具合を改修してもらいました。私たちは、主に夜間に実施されるその作業に立ち会いつつ、作業がひと段落した後も朝まで塗装を乾かし続けたり、劣化したレイアウトを作り直したり、ゆがんだ濾過槽内部を改修したりしていました。
その甲斐あり、7月 12日に無事、展示を再オープンさせることができました。新しい岩肌が白くてまぶしいほどです(これはこれで亜熱帯の川みたいでカッコいい)。しばらくすれば、また藻類が生えてきて自然な感じになるでしょう。
本水槽の楽しみ方のコツは、以前詳しく紹介しました。
[2014/07/27 あらためまして、ジャンプ水槽の楽しさ伝授]
この部分は基本的に同じです。レギュラーのオイカワやアブラハヤに加えて、ちょっと変わった種も試しに入れてみています。満水時にお楽しみいただける要素としてですが、減水時にアッと驚く行動を示す可能性もあります。
そして、右端の小さな水槽にはハマガニが登場です。
当館での展示は初めてではありませんが、アカテガニなどと比べてクローズアップされることが少ない種です。今回は、夜行性で隠れるのが大好きな本種が少しでもくらしやすいように、隠れ家を多くレイアウトしました。隠れっぱなしで「何もいない水槽」になったら困るなぁと思っていたのですが、常に数個体は見える場所にいてくれていますので一安心です。