2024年06月29日
トリーター:杉村

本日開催、第17回目のしんかい2000公開整備

今回は、本日開催された「しんかい2000公開整備」のお話をしたいと思います。

「しんかい2000公開整備」は12年ほど前の 2012年12月に第1回目を開催しました。
この年は、えのすいで「しんかい2000」の展示を始めた年でした。
2019年までに 15回、2020年~ 2022年はコロナウィルスが全国で猛威を振るっていたこともあり、館内開催はお休みをしていましたが、JAMSTECのご協力によりオンラインによる公開整備を4回行うことができました。
昨年 12月末には、3年ぶりに館内ライブ開催の第 16回目の公開整備を再開させることができました。

※えのすいの公式YouTubeより、オンライン公開整備のアーカイブが見られます。[ 第4回「しんかい2000」オンライン公開整備 ]

本日は、第 17回目の公開整備となりました。
作業をするのは、実際にしんかい2000を運航させていた元しんかい2000チームの面々です。

まずは、例年通りに外皮の交換作業。
しんかい2000は、通常FRPでできた白い外皮に覆われていますが、きょうは内部の見えるスケルトン仕様へと変更しています。
外からは、人が乗り込む耐圧殻の外側の一部を覗き見たり、調査船を動かす大型電池、その他のさまざまな機器が見たりすることができるようになっています。
普段は見ることのできないしんかい2000の内部を見に来てください。

※第18回目の公開整備の時に白い外皮に戻る予定です。

そして、久しぶりにしんかい2000が搭載している調査機器(ペイロード)の交換作業を行いました。
これまで、深海で使用する照明、カメラ、マニュピレーター、潜水船の歴史などさまざまなことをテーマにして公開整備を開催していきましたが、ペイロードの交換作業は、10年ぶりくらいです。

ゴエモンコシオリエビや小型の深海魚などを採集して収容する円筒形の大型キャニスターから、クラゲを採集する「ゲートサンプラー」という採集器へ変更しました。
この採集器は、JAMSTECのクラゲ研究者の方から特別にお借りして、搭載が実現しました。
今でも現役で使用されている採集器です。

ゲートサンプラーは、四角いアクリルケースの両端に穴が開いていて、そこには「ゲート」が備え付けられています。
しんかい2000を操ってケースの中にクラゲが入ると、マニュピレーターでゲートを閉めてクラゲを採集するという仕組みです。

ゲートサンプラーを設置しながら、元運航チームのみなさんからは、クラゲをアクリルケースの中に納める時のしんかい2000やマニュピレーターの動かし方、そして、船内でのクラゲ研究者とのやり取りなど、公開整備でしか聞けない裏話をたくさんしていただくことができました。

この公開整備は、元運航チームのみなさんに直接質問したり、お話を聞いたりすることのできる貴重な時間です。
次回の第 18回目は、年末の開催を予定していますので、ぜひ多くのみなさん、「生」の公開整備を体験してもらいたいです。

えのすいに入場してもらえれば、参加(ご観覧)は無料ですから、ぜひお越しください。
お待ちしていますね。
詳細は、決まり次第えのすいのホームページに公開しますので、お楽しみに。

深海Ⅱ-しんかい2000-

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