幼いころ、決まって家族で行く海がありました。
そこは大きな磯。
タイドプールでちゃぷちゃぷと水遊びをするのが
私の夏休み。
ある夏の日。
磯の隙間からウツボが顔を覗かせていました。
怖くて母親の懐へ逃げ込むと、笑いながら
「毎年いるのに」
「来年までに忘れてしまおう」と、幼心に翌年の夏も無邪気に遊べるよう願いました。
そして翌年。
訪れた海には重機が入り、見慣れた磯の姿ではなくなっていました。
ウツボに出会わなくて良かった、と思いつつも、なんとなく寂しさを覚えた夏でした。
そして今、まさかウツボを抱っこして泳いでいるとは夢にも思いませんでしたが。
きょうも腕の中でリラックス。