2024年06月13日
トリーター:今井

マボヤの引越し

限られた本数の水槽をうまくこなして、展示種の組み合わせを考えることは楽しみでもあり、悩みでもあります。
今回マボヤには申し訳ないのですが、急遽となりのフウセンウオ水槽に引越してもらうことになりました。

マボヤとフウセンウオ

ことの発端は太平洋“冷たい海”に待望のザラビクニンがやって来たためです。
大変見栄えのする成魚で、個体数も多かったため、その水槽のメイン展示種とさせていただいたのですが・・・。本種はいわゆる深海魚なので、同じ水槽内では浅場を生息域にするマボヤとミスマッチになってしまったのです。マボヤたちが居なくなった場所にはヒダベリイソギンチャクに張り付いてもらうことで、不自然さを埋めてもらいました。彼らはゆっくりですが自分で移動するので、好みそうな場所を用意してあげるとうまく張り付いてくれます。今回のようにドンピシャに決まるとなんか気持ち良いです!

ザラビクニンとヒダベリイソギンチャク

さて、ウレタンフォームの隙間に軽く活着させただけの状態だったマボヤたち(太平洋「冷たい海」にマボヤを展示しました!)は、スムーズに取り出すことができたのですが、新居はFRPの擬岩のためにつるつるで、取り付ける隙間などありません。そこでどうしたのか、今回はマボヤのレイアウト作業をご紹介いたします。

①擬岩と見た目が似ている岩を用意し、マボヤの基盤が藻類で隠れるようなイメージで、カット面の無いようにちぎった粗目スポンジを盛ったシリコンで接着します。

岩と粗スポンジ岩と粗スポンジ

②マボヤのセルロースの基盤部分に、本体を傷付けないように糸を通して、粗目スポンジが埋没したシリコン部に縫い付け、活着ブロックを作ります。

基盤に糸を通す基盤に糸を通す

③展示水槽内の安定しそうな場所に、見栄えのする向きに設置して完成です。

マボヤブロックを設置

小さな活着生物だけならば、天然スポンジであるカイメンを使うとより自然ぽくなります。しかし、趣味の水槽ではなく、複数の方が手入れをするので、ごっつく丈夫に作らないと補修が面倒になることがあります。
実際、撮影の次の日、底掃除作業のパイプが当たったそうで、1ブロックが転落破損しました( ;∀;)が、直ぐに補修して再設置することができました。

太平洋

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