2024年09月17日
トリーター:加登岡

クマノミパラダイス

太平洋にある、クマノミのいる水槽に新しい仲間が追加になりました。
それがこちらのトウアカクマノミです。

この水槽にはもともとカクレクマノミをはじめ、クマノミ、ハマクマノミ、ハナビラクマノミ、セジロクマノミと、クマノミの仲間が5種類いました。
今回このトウアカクマノミが加わったことで、計6種類になりました。日本近海で見られるクマノミの仲間が揃ったことになります。
この6種類のうち、クマノミ以外は国内で奄美大島や沖縄など暖かい地域でしか生息していません。クマノミのみ相模湾でも見ることができます。

この水槽では6種類のイソギンチャクを展示していますが、それぞれにクマノミの仲間や甲殻類が好みのイソギンチャクに入ってくらしています。
これまでもトリーター日誌で、何度か イソギンチャクを取り巻く生き物たちの情報をお伝えしてきましたが、組み合わせとしてはこんな感じでした。

・シライトイソギンチャク:カクレクマノミ、アカホシカニダマシ
・マバラシライトイソギンチャク:カクレクマノミ、アカホシカニダマシ
・センジュイソギンチャク:カクレクマノミ
・サンゴイソギンチャク:クマノミ、イソギンチャクモエビ
・アラビアハタゴイソギンチャク:ハマクマノミ、セジロクマノミ、ハナビラクマノミ、アカホシカニダマシ
・イボハタゴイソギンチャク:イソギンチャクモエビ

クマノミとサンゴイソギンチャククマノミとサンゴイソギンチャクカクレクマノミとセンジュイソギンチャクカクレクマノミとセンジュイソギンチャクアカホシカニダマシとマバラシライトイソギンチャクアカホシカニダマシとマバラシライトイソギンチャク

という状況で、イボハタゴイソギンチャクにはクマノミの仲間が入らないという不人気でした。
そこで、自然界で良くイボハタゴイソギンチャクと共生しているトウアカクマノミを入れることにしたのです。

そして、実際に入れてみると・・・

イボハタゴイソギンチャクに無事に入ってくれました。
このイボハタゴイソギンチャクはアクリル面に近い所に陣取ってくれているので、観察もしやすいです。

この水槽で、ゆくゆくはクマノミの繁殖も予定しているため 全種2匹以上展示しています。
クマノミの仲間は性転換するため、オス(体が2番目に大きい)にもメス(体が1番大きい)にもなる可能性を秘めています。

実際に昨年はカクレクマノミが産卵し、今はちょうどハマクマノミが産卵し始めました。

アラビアハタゴイソギンチャクの麓に産卵しているため、見えにくいですが、ときどき親が卵のお世話をしにイソギンチャクの下に入り込むので、そこに卵があります。
運が良ければ卵を見つけられるかもしれません。
新たな仲間が加わったクマノミの水槽の動向を、観察しに来てください。

太平洋

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