2009年09月20日
トリーター:伊藤

舞い降りた天狗たち


みなさんは「天狗(てんぐ)」と聞いて何を思い浮かべますか?山伏の格好、黒い翼、強風を起こすうちわ、○太郎の仲間、長い鼻といったイメージではないでしょうか?

少し前に今上陛下のご研究コーナーに登場した「テングヨウジ」。タツノオトシゴに近い仲間で、その名の通り、ようじのように細長いです。
目から口までの長さが他のヨウジウオと比べて長ーいのが「テング」と名付けられた由来です。
海水魚が多勢を占める仲間の中で、本種は珍しく川の中で暮らしています。
川の中で枯れ枝がからまって沈んでいるようなところを見つけたら、大きな網でザバッとすくいます。
すると、枝のところどころが動いている!
よく見るとヨウジウオだ、といった具合です。
暖かい地方に多い種ですが、相模川など関東地方でも見つかることがあります。
水槽内ではクラゲと同じ餌(ブラインシュリンプ)を与えています。
口先をピンッピンと動かしながら、吸い込んで食べます。
今上天皇のハゼのコーナーに入っていますが、かの源頼朝が、平安時代の後白河天皇のことを「日本一の大天狗」と評した説があるそうですから、当コーナーにいても違和感はない?ですよね(たまたまですが)。

魚らしからぬ異形の生物です。
ぜひご覧になってみてください。

テングヨウジテングヨウジ

皇室ご一家の生物学ご研究

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