2024年06月07日
トリーター:加登岡

透けるナマズたち

当館の 皇室ご一家の生物学ご研究 の展示エリアの片隅でひっそりとくらしているナマズたちがいます。
ご家庭で飼育されている方もいる、熱帯魚として馴染のあるナマズの仲間の トランスルーセント・グラスキャット です。

体が透明なことが有名で、各地の水族館でもハロウィンシーズンには引っ張りだこです。

“えのすい”では しばらくの間このトランスルーセント・グラスキャットを展示をしていますが、そこに最近仲間入りしたのが、トランスルーセント・グラスキャットと同じクリプトプテルス属に属する ストライプドグラスキャット です。

形はトランスルーセント・グラスキャットとほとんど変わりがありませんが、こちらの方が、透明感が薄く、かすんでいるように見えます。
そして、くっきりと縦縞模様が入ります。
一緒に混ざって泳いでいるので、なんとなく見てしまうと、トランスルーセント・グラスキャットの個体差で透明感がないだけなのかなと思ってしまいそうですが、別種です。

そして、もう1種この水槽にはナマズの仲間がいます。
それが ドワーフイエローキャット です。こちらのナマズも体が半透明です。


この水槽では、現在3種類の体が透けているナマズたちを飼育しています。
ナマズの仲間はさまざまな環境に生息し、その環境に合わせて、姿形を変えて進化してきました。
日本でイメージする「ナマズ」とは形が少し異なりますが、東南アジアには体の透けたナマズたちがくらしているのです。
体が透明だと背景に溶け込め、外敵から発見されにくくすることができるのです。
3種類とも夜行性のため、日中は流木や水草の下に隠れていますが、水槽を覗き込んで観察してみてください。

皇室ご一家の生物学ご研究

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