2006年08月29日
トリーター:倉形

アザラシとアシカの見分け方を知っていますか?


みなさんもご承知だと思いますが、先日 27日夜にとても悲しい出来事がありました。
徳島県阿南市の那賀川に昨年 11月に現れたアゴヒゲアザラシの「ナカちゃん」が、中州で死んでいるのが見つかりました。
新聞報道などで近所の方々の話では、最近 25日に元気なようすではあったが、26日は姿を見せなかったということです。
そして 28日朝にとくしま動物園に運ばれ解剖して死因を調べた結果、腐敗が激しく死因の特定はできませんでした。
しかし栄養状態も良好であり深い外傷が無いことや元気に泳ぐ姿も見られたこと、元々極寒の地で暮らしている動物であるため、暑さや疲労によるショック死の可能性が高いということでありました。
「ナカちゃん」のご冥福を心からお祈り申し上げます。

ここから本題であります『アザラシとアシカの見分け方』についてのポイントをお話しましょう。
ポイントは 3つ有ります。これさえ分かれば種名が分からなくても「アザラシの仲間」か「アシカの仲間」がすぐに分かると思います。

まず 1つ目のポイントは「耳」です。
アザラシは眼の後ろに穴が開いているだけですが、アシカには眼の後ろに人間のように耳介(じかい)と呼ばれる出っぱりが有ります。

2つ目のポイントは「陸上での移動」です。
アザラシはまるでイモ虫が這っているかのように動きます。移動する際、一切前肢(ぜんし)・後肢(こうし)を使いません。
それに比べてアシカは前肢・後肢の 4本を使って歩きます。ですから、ショーに参加しいろいろと芸(種目)がおこなえるのです。

3つ目のポイントは「泳ぎ方」です。
アザラシの場合、体をくねらせながら後肢を左右に動かして泳ぎます。
アシカの場合、前肢が後肢に比べて発達しているため前肢を使って泳ぎます。

以上、3つのポイントを見ればアザラシとアシカを簡単に見分けることができます。
ちなみに当館で展示しているアザラシは「ゴマフアザラシ」のみですが、アシカはショーに出演している南米アシカと呼ばれる「オタリア」と「カリフォルニアアシカ」がいますので、ぜひその違いをみなさんご自身の目で確かめて見てください。
お待ちしております。

カリフォルニアアシカ(上)とゴマフアザラシ(下)カリフォルニアアシカ(上)とゴマフアザラシ(下)

ペンギン・アザラシ

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