2006年11月14日
トリーター:植田

今時期人々を困らせている動物

最近テレビや新聞で報じられるニュースの中に熊が民家周辺に出没し、住民に危害を及ぼしたということがあります。餌の少なくなる冬を前にして、食いだめをする熊が、餌の少ない山から民家周辺に下りてきてゴミなどをあさるうち、人がたまたま出くわして襲われるということのようです。
この背景には、山で熊が本来常食としているドングリなどの木の実の不作が一因ではないかといわれています。

一方海の方に目をやって野生生物が人を困らせる問題がないかと見てみると、この時期やはり人を困らせている問題がありました。それは、例の巨大クラゲです。
みなさんもエチゼンクラゲの名前はもうよくご存知のことと思います。大きな個体は、傘の直径が 1m超、体重も 200kgのサイズにまで育つクラゲです。独立行政法人水産総合研究センターから出される「大型クラゲに関する調査研究情報」によれば、今年は 6月下旬に対馬周辺で見られ始め、9月、10月になると西日本の日本海沿岸に多数出没するようすが報じられています。
特にこのクラゲに困っているのは漁業者の方たちで、例えば定置網に入ると重みで満足に網が揚がらない、網が破れたりする、一緒に入った魚がクラゲの毒によって死んだり、傷んだりして商品にならないなどの問題を起こします。

当館では、このクラゲを今年 2回捕獲し、水族館まで運びました。これらのうち一部は展示水槽に出して来館者のみなさまに見ていただき、エチゼンクラゲの実際の姿や動きを紹介するとともに、バックヤードで水槽内繁殖をさせる試験に取り組んでいます。その結果進展があれば、またの機会にご報告したいと考えております。

エチゼンクラゲエチゼンクラゲ

クラゲファンタジーホール

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