クラゲ川柳よもやま話 第三話
ジェリーフィッシュブリーダー(以下ジェ):
第一話、第二話では、最優秀作品の 7句を取り
上げました。
これらはクラゲファンタジーホールにて、ご紹介
させていただいております。
クラゲモリ(以下ク):
第三話では、優秀作品の 5句を取り上げます。
ジェ:
展示コーナーには出ておりませんが、これが
また、最優秀作品に勝るとも劣らぬ傑作ぞろい!
ク:
それでは、早速いきましょうか。
優秀作品
( 1) 心臓が ブルージェリーな 夏の夜
ジェ:
注釈付きでしたよね。「拍動が速いという意味」
ク:
この観察力が嬉しかったです。
他のクラゲでは、こう、ぴったり来ないでしょう。
ジェ:
「心臓がブルージェリー」って、使えそうなフレーズ
ですね。
ク:
そうですね!なんか、ドキドキな時に!
ジェ:
この句全体に漂う、なんともいえない雰囲気がいい
ですね。
ク:
なんといいましょうか、一滴ぐらいの色気。
恋の予感?!
ジェ・ク:
恋!
( 2) ゆらゆらと なに話してるの クラゲたち
ク:
お母さんと子どもが、水槽の前で話してるみたい。
ジェ:
やさしくて、安心する感じ。
ク:
わたしたちも、いつもクラゲたちの会話に耳を傾け
ていなくてはいけませんね。
ジェ:
よい句は、よいクラゲから。
よいクラゲは、よい飼育から。
ク:
よい飼育は、よい観察から。
ジェ:
いつでも、よい句が生まれるクラゲファンタジー
ホールを目指しましょう!
( 3) 漂えど 流されはせぬ クラゲ道
ジェ:
かっこいいですね。
ク:
私もそう思います。
この対談のために、もう一回見たら、なおさらそう
思いました。
ジェ:
クラゲそのもののことと、それから、クラゲ飼育者
のことにも当てはまりますよね?
ク:
「漂う」ことと「流されること」のちがい。
ジェ:
意思がありますね。
ク:
私もこの句を座右の銘として、精進してゆきたいと
思います。
( 4) 根無し草 波間揺蕩う クラゲかな
ク:
この句、とっても、気楽になれます。
ジェ:
「根無し草」なんて、普通はいい意味には使わない
ですが。
ク:
クラゲが絡むと、癒しの言葉になりますね。
ジェ:
地に足が着いた生き方をしなければ駄目だってい
われ続けてると、たまに疲れちゃいますからね。
ク:
そんなに頑張らなくても、頑張れなくても、大丈夫!
ジェ:
揺蕩ていても、クラゲはステキですから!
(5) 土用波 クラゲに刺され 夏終る
ジェ:
自分で経験していなくても、なんとなくワカル、この
情景。
ク:
ちょっとおとなしくなった日差しと、秋の匂いがする
風の中で、腕に残った刺され跡を見て笑ってる、
日焼けした顔。
ジェ:
ずいぶん、絵を想像しましたね。
でも、そんな感じかも。
夏の思い出。
ク:
また来年の夏、誰かが同じ経験をするでしょうね。
夏の終わりのの定番。
ジェ:
なんだか、ひぐらしの鳴き声が聞こえてきました。
空耳かな・・・
ク:
いえ、川の方から、本当に聞こえていますよ。
ジェ・ク:
最後になりましたが、残暑お見舞い申し上げます。
みなさまの日々の暮らしの中で、クラゲがなんら
かのお役に立ちますように。
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