きのう 5月9日は、あしたからはお天気が崩れるという、ぎりぎりセーフの第 5回「えのすいクラゲの日」でございました。
こたびより、この会を切り盛りする奥の者が変わったと聞き及んでおりましたが、何も案ずることはなく、新しき二人の者が、元気よく皆皆を引っ張ること、まことに頼もしきようすで、しかも幸先の良きことに、陣を構えようと歩いている途中で、まさに今旬のクラゲとも云へるギヤマンクラゲなる 5cmもあるヒドロクラゲの一種が採れ、一同最初からたいそう盛り上がり、その後、各々が期待に満ちた表情で黙々と網を引いて歩いているようすを、私も大変うれしく眺めておりました。
ところが十数分後、どうもみんなの集中力が途切れはじめたように見受けられたので、ようすを聞いて見ると、その後何も入らないと、嘆く者数名あり。
いや、なにもいないことはないであろうと、入れ物の中を覗いてみるに、・・・うう、確かに何もクラゲがいない・・・。おや、「あ、でも夜光虫がいっぱいですね。」「え?!どれが夜光虫ですか?」「この丸い粒粒が・・・」
夜光虫をきっかけに、皆の目が、次第に小さきものを見ようとする目に仕様が変わりつつあるようでした。
皆の容器をひとつひとつ、ちょっと見せてたもれ、と、覗いて行くと、大概の容器には、1.5mmほどのクラゲがピョコピョコと懸命に泳いでおるではないか!「オオタマウミヒドラがいますよー。みなさんしっかり見てくださーい。ちゃんと採れてますよー!」みんなの集中力は、その後ほぼ途切れることはなく、撤収合図を出すのが申し訳なく思えるほどにございました。
結果は、ギヤマンクラゲ 5匹、ヒトツクラゲの仲間 1匹、そしてオオタマウミヒドラ 80匹ぐらい、ヒドロクラゲのポリプ、そのほか、夜光虫、ワレカラ、ヨコエビなどなど。まこと、小さきものをじっくり見ることは、楽しきことじゃ。
会を終えて、もう一度、窓から「江」の島の方を見て見ると、風がさっきより強くなり、「江」の島へ続く海面には、白い兎が飛び始めておりました。お天気は予報どおりに変化してきました。
みんなの戦利品でもある、たくさんのオオタマウミヒドラは、きょうから展示させていただきました。
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「江」の島より申し上げまする