2012年04月13日
トリーター:櫻井

人気キャラ


大水槽へ向かって降りていくスロープの手前、4つ並んだ二つ目の水槽にそいつはいます。
もう 5年ほど前になるでしょうか。
わたしが海で季節来遊魚と呼ばれる熱帯魚を採集していた時のこと。そいつは恐らく警戒していたのでしょうが、動きの鈍いそいつの警戒は全くその効果を発揮せず、あっさりわたしに捕えられました。
「展示する予定もないし、お逃げ」手網から解放されたそいつは、急いではいたでしょうがのそのそとその場から離れました。
「でもあの水槽に入れたら合うかも」再びあっさり手網で捕獲。
「でも輸送がちょっと面倒かな」手網から解放されたそいつは、急いではいたでしょうがのそのそとその場から離れました。
「あぁ、きょうは輸送用のバケツを余分に持ってきてたっけ」再びあっさり手網で捕獲。
こんな葛藤がしばらく続き、今ではそいつは 5年間当館で不動の人気を誇っています。
「かわいい!何これハコフグ?」

8割ほどの確率で写真を撮られる『ウミスズメ』は、アマモ水槽で大きく成長しました。
「この水槽のメインはアマモなんだよな・・・」
展示としての生物と考えた際の、人気キャラの扱いについて 5年経った今でも葛藤を繰り広げています。

ウミスズメとアマモウミスズメとアマモ

相模湾ゾーン

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