2014年05月09日
トリーター:植田

ゴールデンウィークも過ぎて・・・

アメフラシと卵アメフラシと卵

5月の初めのゴールデンウィークが過ぎた頃には、例年感じることですが、海の温度(海水温)もだいぶ上がってきた、ということです。
3月のこの日誌で、アメフラシがタッチプールの一員に加わったくだりを紹介しました。
その後タッチプールでは、当館地先より汲み取っている海水温が上がってきたせいか、アメフラシたちはせっせと卵を産んでいます。


それとは逆に、水温がどんどん上がってしまうと都合の悪い生物たちもいます。その一つがダンゴウオです。
彼らは、相模湾の磯に冬を告げる魚として、冬になると決まって磯場の潮だまりに姿を見せるようになります。
そのころ当館のトリーターが磯に出向いて、採集をおこない、何匹かのダンゴウオが当館にやってくるのです。
冬から春にかけて、まだ水温が低く、手を浸けると冷たさが感じられる頃は、ダンゴウオも元気に生活することができますが、春から初夏へと季節が変わるころには、海も確実に暖かくなってきます。
何度までなら大丈夫、何度を越えるもうダメと、はっきりした温度の限界があるのかは明言できないのですが、10℃台の後半になると、ちょっと彼らには暑い環境のように見受けられます。
そこで、避難と新展示場所を兼ねて、ダンゴウオには移動をしてもらいました。
今は、「太平洋」のオオカミウオの展示水槽の中に、小さな水槽が浮かべられており、その中で暮らしています。
ここは夏場も水温 15℃以下に冷やされています。従って、これから先もしばらくは、ダンゴウオたちが暑さで参ってしまうことはなくなりました。

太平洋

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