牡蠣殻に付いたキタクダウミヒドラを、クラゲサイエンスに展示中です。
牡蠣殻の上には、主役の他に、ホヤ、コケムシ、カイメン、コケムシ、ゴカイ、イソギンチャク、ヨコエビ、二枚貝などなどさまざまな生き物がすんでいて、小さいながらもにぎやかなひとつの世界ができているかのようです。そこそこの年月、この仕事に携わっていますが、私はどうも、こういう世界が好きであるということを、最近改めて自覚したところです。
先日、同僚のY氏が、「キタクダ(ウミヒドラ)が調子悪いと思ったら、なんか白い粒粒が付いてますよ」と教えてくれたので、その粒々(1mm以下)を検鏡してみたら、ぬうーーーと動いていました。
見覚えのあるなめらかな動きをしばらく見ていると、大学の時の指導教官の「無腸類じゃ」という声が記憶の中から蘇りました。プラヌラに似た特徴を持つ動物の分類群。現在は珍無腸動物門という分類群に属すようです。キタクダウミヒドラに悪さをしているのかどうか、食べたりしている現場はまだ押さえていません。
新江ノ島水族館の飼育生物は、おおよそ500種となっていますが、カウントされずにこっそりちゃっかりくらしている生き物が、かなりいるのだろうと思います。
幸い、今回見つかった珍無腸動物の一種は白い粒々として見えましたが、簡単には見えないものもたくさん隠れているのだろうと考えただけで、薄ら笑いがこぼれてしまいます。機会があれば、そういう生き物たちもひっそり紹介していきたいと思っています。