みなさん、“ユメナマコ”って知ってますか?
深海の図鑑や関連の書籍を開けば、必ずと言っていいほどその名前やイラスト、写真を見ることのできる定番の深海生物です。
でも、生きている姿って見たことありますか?
現在、深海Ⅰの展示で公開展示中の“ユメナマコ”は、7月18日に実施されたJAMSTECとの連携協定に基づく深海調査にて採取されました。
調査のようすは、ニコニコ生放送 でも見ることができます。
現在、長期飼育研究のようすを一般に公開しています。
深海図鑑常連の“ユメマナコ”の本物が目の前の水槽の中で、たてがみのような帆の部分と体の縁のひらひらしている部分を動かしながら体全体もゆーっくりとくねらせて泳いでいるなんて!!
深海生物の飼育の担当をしている私でも、間近で見るのはほぼ初めての事で、毎日観察しながら感動しています。
時折動きを止めて、ゆっくリ水槽の中層まで沈み、そしてまた泳いで浮くといった行動が見られています。
観察していると、疑問に思うようなことも多々あって、彼らの生態の一端について貴重な情報を得ることができています。
これまで、底引き網漁などで本物を見ることはあっても、網であげてくるためにどうしても体がスレてぼろぼろになってしまい、1~2日の飼育に終わってしまうために水槽で泳ぐ姿なんてほとんど見たことがありませんでした。
深海調査の映像で見るものと同じように目の前の水槽で泳いでいる姿が見られるなんて、普通に感動ものです。
状態良く水槽で飼育することが難しい深海生物であり、深海の調査映像でもじっくりその姿を観察することがほとんどないユメナマコです。
可能な限り長期的な飼育を試み、謎につつまれた生態の一端を解明できるように努力したいと思います。
とは言っても、やっぱり泳いでいるユメナマコが見られるなんて!
深海生物の担当で良かったと思う瞬間です!!