今回はフンボルトペンギン「ヒカル」についてのお話です。
「ヒカル」は 2001年に生まれた、翼に白い目印をつけた 21歳の女の子です。
“えのすい”には現在 32羽のフンボルトペンギンが生活していますが、年齢順で上から数えると 10番目のペンギンです。
ある日、担当トリーターがその異変に気付いたのは 2022年 1月のこと。
「ヒカル」のくちばしの付け根部分の皮膚が、わずかに黒く(写真内、黄色矢印)なっていたのです。
その日、違和感を記録として残すために、写真撮影をおこないました。
それから数か月、特にその他の異常な行動や仕草が見られなかったので、経過観察としていましたが、その黒い部分は徐々に大きくなっていきました。
そこでペンギン担当と医療チームで話し合い、患部の精密検査をおこなうことになりました。
先日、日本大学動物病院に行き、麻酔下でCT撮影をおこないました。
検査当日は朝ごはんを抜いた状態で、ケージに入ってもらい、動物病院まで一緒に移動します。
“えのすい”のスタッフと、動物病院の専門のスタッフが協力して検査を進めます。
検査はスムーズに終了し、「ヒカル」も無事に麻酔から覚めました。
検査の結果、黒く盛り上がった皮膚の患部は、「がん」であることがわかりました。
我々人間と同じように、元気な動物たちも、高齢になると患いやすい病気もあるのです。
私たちは「ヒカル」にとって最善の治療方法を検討しています。
さて、2022年も残すところあと 1か月です。
“えのすい”の生き物たちとスタッフが、無事元気に年越しできますように!!
[ご報告]
2023年3月9日(木)「ヒカル」が永眠いたしました。
これまで「ヒカル」をあたたかく見守っていただきました多くのみなさまに感謝とお礼を申しあげます。