2024年08月03日
トリーター:唐亀

体温調節

このところ、気温が高い日が続いております。外のカラスもとても暑そうで、羽をだらんと垂らして口を開けています。カラスにとっては口を開けることで体温を下げているのですね。

私たちは汗をかくことで体温を下げています。汗が蒸発する際に熱を奪う気化熱の作用によるものです。まあ、暑いときには水浴びや海水浴なども体温を下げて、とても気持ち良いものですね。でも、きょうクラゲ採集に行った際に、バケツで汲んだ海水の水温は39.3℃ありました。体温よりも高かったのです。

ところで、水の中を気持ちよさそうに泳ぎ回っているイルカたち。彼らの体温調節のやり方をご存じですか。彼らの体温は私たちと同じ位の36℃程度です。水の中でくらしているのだから、汗は意味が無いし問題ないのではないか、と思うかもしれませんが、実は水温が上がり過ぎるとイルカたちも夏バテのように動きが鈍くなります。
元々彼らは厚い皮下脂肪を持っています。海水中は水を飲むことができないので、脂肪を分解することで水分を作っているため(ラクダやカンガルーラット等と同じ方式です)、非常に重要な部分ですが、断熱材としても優秀です。彼らが運動すると体温が上がります。しかし、厚い脂肪のために体の表面から体温を発散することはできません。そこで、背びれや尾びれの血管に温まった血液を流し、ここで放熱しています。このとき、水温がイルカの体温を超えていると、放熱がうまく行かなくなってしまうのです。イルカショースタジアムのプールの水温は温度調節されているので、彼らもバテることなく涼しげな水しぶきを上げてジャンプできるのです。

イルカショースタジアム

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