3月13日(木)竹嶋展示飼育部長、神応トリーター、冨永トリーター、岩崎の4名でメバルの乗船釣り採集を実施しましたので報告いたします。
今回の目的は「春告げ魚」として釣り人に親しまれているメバルを採集し、旬の魚として紹介すること。
乗船は天候に大きく左右されることから、採集一週間ほど前から予想天気図とにらめっこの日々が続きました。
好天を期待しましたが、13日は春の嵐、昼過ぎから台風並みの暴風が吹く予想に。
延期も検討しましたが、採集予定地の東京湾は、南寄りの風であれば波高はそれほど上がらず、乗船釣り採集は可能であるとの情報。
思い切ってこの日に決行することにしました。
朝6:00にえのすいを出発
鎌倉で朝日を迎える。
生温かい風はまだそれほど強くない。
6:45には港に到着、当初7:30出航予定でしたが、お世話になる釣舟の船長さんのご厚意で、7:00出航に変更していただき、天候が崩れる前に勝負をかけることに。
8:00頃までの風波はそれほどでもなく、横須賀沖水深 25~ 30Mのポイントを順調に攻めていきました。
今回の釣に使った餌は「藻エビ」と呼ばれる淡水産のエビで、夜間に活性が高く警戒心の強いメバルが日中でも釣れることから、このエビを餌に釣るメバルは「エビメバル」と呼ばれています。
最初に本命のメバル釣り上げたのは竹嶋部長。
20cmオーバー、この日一番のサイズを確保。
早速水圧変化でふくらんだ浮き袋のガス抜き処置をおこなう。
この処置をおこなわないと、膨らんだお腹を上にして浮いたまま魚がどんどん弱ってしまうのです。
竹嶋部長に続いて冨永トリーター、神応トリーター、そしてわたしにもメバルがヒット。
これは幸先が良い!
そう思ったのも束の間、強まる風雨に合わせるようにメバルの魚信はぴたりと止まる。
気温は高い予報でしたが、暴風と雨に冷やされた指先はかじかみ、餌のエビを針に付けることも困難な大変厳しい海況となりました。
それでもあきらめずに攻め続け、時間いっぱいの11:00に納竿。
釣り人の間では昔から「メバルは凪ぎを釣れ!」との格言があります。
風の影響が少なかった早朝は本命のメバルを確保することができましたが、風波が強まった後半戦は、メバルの姿を見ることはついに叶いませんでした。
海が荒れると根に付くメバルたちは棲みかとしている岩陰に隠れてしまうようなのです。
結局今回の採集では本命のメバルを 10個体確保。
その他、カサゴやシログチなどを“えのすい”に持ち帰ることができました。
採集したメバルは、相模の海ゾーン“流れ藻水槽”に展示しましたのでぜひご覧ください。
大荒れの中、乗船採集にご協力いただきました船長さん、ありがとうございました。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。