昨年春のトリーター日誌にて、江の島の海藻を調べ始めたことを紹介しました。
あれから続報もせず、三日坊主を疑われたかもしれません。
実は昨年の調査では、時期がやや遅かったこと、近隣での磯焼けが見られていたことから、翌年(つまり今回)、海藻の最盛期である2月にもう一回調査しなければと思っていたのでした。
ということで今回の調査はこちらの日誌で少し詳しくレポートしてみたいと思います。
最初に出向いたのは江の島の南側、最も潮通しがよい磯らしい磯です。
この時期の難点として、大潮でも昼間にあまり潮がひかない(最干で50cmくらい。潮間帯下部が水没したまま・・・)という点がありますが、極寒の夜に調査するよりは良いかな、ということで 現場入りです。
幸いにも波は穏やかです。
まずは水際と水中を見ていきます。
潮間帯の上の方は海藻が少なく、マクサやオバクサがちらほらあるだけ・・・。
近隣漁師さんの「今年も磯焼けが酷い」という言葉を思い出し、一抹の不安を覚えながら、外海に向かって調べていくと、沖の方には例年とそう変わらない大型褐藻類の繁茂が目に入りました。
お馴染みのワカメやヒジキに加え、当館の展示でおなじみのアラメに、ざっくり「流れ藻」「ホンダワラ」としてくくられるイソモク、アカモク、タマハハキモクなどが気持ちよくたなびいています。(写真上)
何とか潮が満ちる前に潮間帯を見終え、今度はタイドプールと高い岩の上を見ていきます。
乾いた岩の上にはカッピカピに乾いたアマノリとハバノリがびっしりです。
アマノリはマルバとオニかな?この中に、江の島ゆかりのベンテンアマノリがあったりするのかも、と思いながらも、とても区別が付きません。
ベンテンアマノリは岩上ではなく他の藻類の上に着生する種らしいですが、そういった状態のアマノリはほとんど見られませんでした。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。