きょうは潜航初日で、パプアニューギニアのパックマヌスといわれる熱水噴出域での潜航でした。
潜航して海底に着くとまもなく、黒い熱水を噴き出すチムニーが見つかり、さらに今回の目的を達成できそうな好都合な生物がたくさんいる場所がみつかりました(これは時間が限られている潜水調査なのですごくラッキーなことなんです。あすは潜航調査の 1日についてお話しますね)。見つかった瞬間、研究者チームは一斉に声を上げて大喜びです。黒い熱水を噴いているチムニー(ブラックスモーカーと呼ばれます)にたくさんの生物が寄り集まって生息しています。
そのなかで、採集されたのはアルビンガイ、ヨモツヘグイニナ、ユノハナガニの仲間、オハラエビの仲間、熱水性のフジツボ類などです。「よこすか」に設置した水槽にはいま、たくさんの生物が入りました。これから「よこすか」にはどんどん「水族館」ができ上がっていきます。船長たちも楽しみにみんな見にきてくれます。
いずれの生物も生かすことを目的としたことは初めてです。長く生かせる鍵を見つけてみなさんに見てもらえるように頑張りますね。遠い日本から応援してください。
私は今のところ 22日あたりに潜航予定です。海況などの悪影響が無い限り潜れる予定です。
あすくらいからは、日本海にいる海洋研究開発機構の「なつしま」からも、えのすいトリーターの北田から航海日誌が入ると思いますから、楽しみにしてください。でも、日本は台風がきているようですね。「なつしま」の「ハイパードルフィン」潜航調査に影響を与えないことを祈っています。
[きょうの写真]
本日採集された生物の一部
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)YK06-13「よこすか/しんかい6500」によるノースフィジー海盆(フィジー)、マヌス海盆(パプアニューギニア)調査潜航