船員さん、6Kチームの皆さん、そして我々研究者チームのみなの願いが届き、ようやく潜航調査ができました。
結局私の潜航する順番は無くなってしまいましたが、それは仕方がないです。
きょうの潜航場所はノースフィジー海盆のホワイトレディといわれる熱水噴出域でした。
初めての場所で初めて潜るときは、その熱水サイトを見つけるのが大変です。
潜航者も最初は熱水を探して迷走していましたが、見事に見つけてきました。
ノースフィジー海盆に来て、5回の潜航予定がなかなか潜れず 1回になってしまいました。
自然を相手にする研究は本当に難しいです。
この調査も 1年以上前から、申請書を練りにねって提出して、他にも多々ある申請書と競争してようやく勝ち取り、さまざまな調整をおこなって、調査ができて、素晴らしい研究成果をあげることができることを期待して、ようやくここまでこれました。しかし、現実は海がなかなか扉を開いてはくれませんでした。
深海調査で得られた生物たちは本当に貴重です。
今回採集された生物はいろいろな分野の研究に使われていきます。
もちろん、“えのすい”でも長期飼育を試みてその生物の生活史や行動を研究していきます。
生物を生物としてじっくりと観察すること、それはすごく大事なことです。大事なことですが、なかなか時間がかかり難しいことです。
水族館の生物学への貢献として一番大事なところだと思います。
とりあえずは、きょうで調査日程は全て終了しました。
あしたはフィジーのスバに向けて 1日回航です。
[きょうの写真]
総合指令室の音響航法装置
奥に見えるのが操作卓で母船の位置と「しんかい6500」の位置が座標に示されます。
手前に見えるのはプロッターで「しんかい6500」の航跡を書いていきます。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)YK06-13「よこすか/しんかい6500」によるノースフィジー海盆(フィジー)、マヌス海盆(パプアニューギニア)調査潜航