みなさま 1日ぶりです。魚類担当の伊藤です。実は今回、2つの航海に連続参加となっていたのでした。
前航のみなさまが私服に着替えて次々と船を去る中、私は同じく連続参加の三宅さんと 2人で船に残りです。
調査はこれまでと同様「なつしま」でハイパードルフィンを使いますが、10日から(正確には 9日の夕方から)は全く別の目的でおこなわれます。
今度の目的は専らサツマハオリムシです。サツマハオリムシの生理化学的な試験や卵の発生実験をおこなうため、サツマハオリムシをサヤから剥いて裸にして採血したり、卵巣を摘出したりするんです。もちろん、全て剥いてしまわずに、一部を水族館に飼育用に持ち帰ります。
また、もう一つの大きな目的が、ハオリムシの根元に隠れ住んでいるタギリカクレエビです。ちょうどアクアリストに人気のクリスタルレッドビーシュリンプの全身赤バージョンのようなエビです。たくさん取れたのですが、繁殖はもちろん、長期飼育も難しいそうです。
しかし当館には 2年以上も維持されているサツマハオリムシ水槽があります。あそこに入れて飼育すれば、あるいは、という期待もあります。
ところで、きのうは荷造りをお手伝いしていて、ちょっとしたことに気付きました。
コトクラゲが伸ばす触手ですが、その感触を簡単に体験できる裏技?です。ガムテープの端を糸の様にぴりぴりと裂いていき、その糸を手に絡めてみてください。意外と丈夫、ほどよく粘着、コトクラゲにからみつかれるとちょうどこんな感じです。お試しください(ガムテープの無駄づかいは止めましょう)。
[きょうの写真]
採集されたタギリカクレエビ
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。