最終潜航が終わり、研究者のみなさんはサンプル処理にてんやわんやです。きょうはみなさん、かなり遅くまで作業をされるのだと思います。
あす「なつしま」は、朝8時に奄美大島名瀬港に着岸します。私もあすは早朝から、ひたすらゴエモンコシオリエビらの袋詰め・箱詰めをおこない、それらと一緒に新江ノ島水族館へ戻ります。
今回の航海は、「深海底熱水活動域の熱水ー海水混合域における化学合成独立栄養細菌の帯状配列」を探ることを目的とした調査でした。
普通の海水と熱水が交じり合うところでは、ミクロの世界でどんなことが起こっているのでしょう。
微生物屋さん、地球物理屋さん、化学屋さんたちが、精密機械を使ったり、RI室でなにやら実験をしている間、私はほとんど 16℃に設定されたコンテナラボ(その名の通り、コンテナを改造した実験室です)と、その奥にある 4℃の冷蔵室の中で、目に見える生物と向き合っていました。
見ているもののサイズが違うと、ほかのこともいろいろ違うなあと、新鮮でしたが、ちょっとだけ孤独を感じた船中生活でした。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT07-13「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ深海生物調査採集潜航
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。