JAMSTECの研究船に乗船中の根本です。前回も支援母船「なつしま」にて航海日誌を書いていましたが、台風 9号に追われてドタバタしながら逃げ帰ってきたので、日誌が中途半端になってしまいました・・・ すみません。
さて!気を取り直して今度は「よこすか」です!この船は、あの深海界のスーパースター「しんかい6500」の支援母船なのです!したがって今回は「しんかい6500」を使っての調査になります!
この「しんかい6500」は業界人は 6Kと呼びます。読み方は「ロッケイ」です。みなさんも 6Kって呼んでみましょう!ちょっと良い気分がします♪
今回の目的地は千島海溝です。北海道の太平洋側に位置しています。ここには「冷湧水域」(最近では単に湧水域と呼ぼうという事になっています)があります。この海域は“地殻の境目”があり、太平洋からやってきたプレートが日本が乗っかっているプレートにぶつかって沈み込んでいる場所なのです。そして、こういう場所には湧水域ができるのです。
「湧水」とはなんなのか?
湧水とは「海底の堆積物のしぼり汁」なのです。プレートが沈む時、海底の表面の堆積物は、ぶつかったプレートによってはぎ取られてたまっていきます。さらにドンドン溜まっていくと圧力が発生して堆積物の中の水が絞り出されてゆくのです。
雑巾をしぼり器で搾るがごとく水がジワジワ出てきます。
雑巾のしぼり汁には雑巾のエキスがタップリ染み出して、ゆすいだ水道水がドス黒い液体が出てきますよね?
湧水域の湧水も堆積物の中の成分をたっぷり含んで元の海水と成分が全然違う海水が出てきます。
この中に含まれているメタンや硫化水素が菌を育て、それを利用する生物がいて、その生物を食べる生物が来て・・・ と大きな生態系を作ってゆくのです。
さてさて、今回はどんな生き物が採れるのでしょうか?持って行ったディープアクアリウムは活躍するのでしょうか!?潜航開始のあさってが楽しみです!
そんな期待を胸に夕日が沈む海を見ながら今後のお天気を祈る根本なのでした。
[きょうの写真]
上/支援母船よこすか
下/船上からの夕日
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)YK07-14「よこすか/しんかい6500」による千島海溝 深海生物調査採集潜航
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。