この航海日誌は陸で待機している研究者の方もご覧になっているそうです。現在、「しんかい6500」がどこで何をしているのかがわかるからです。
もちろんえのすいトリーターも見ていることでしょう。“えのすい”の唐亀さん、4月の航海と同じ部屋で私は過ごしております。
本日は「しんかい6500」第1036潜航、日本海溝海側斜面、宮古沖水深 6500mがおこなわれました。
水深 6500mというと「しんかい6500」が船から海へと降ろされ、潜航が始まって海底に着くまでに2時間半くらいかかります。ですから、往復で約5時間。一日の「しんかい6500」の作業時間はお日様のでている 8時間くらいですから、海底での作業時間は 3時間ほどになってしまいます。海底ではあっという間に時が過ぎてゆくことでしょう。
きょうの海底は石がごつごつとしていてナマコがちらほらと見られました。この石が本日の採集成果です。
私にとって石というと、展示のレイアウトやイソギンチャクの付着する所、クラゲのポリプが付着する所と生き物目線で見てしまいがちですが、この海底の石のことを教えていただくと、この石には歴史があって私たちの生まれるずっと前からここにいて、さまざまな環境や歴史が見えてくるそうです。
石を切って調べてみることが、まるで歴史の資料を開いているかのようですね。
水族館へ帰ったら、ユノハナガニやヒバリガイたちが座っている石をもっと良く見てみようと思いました。
[きょうの写真]
上/石
下/重たい石も軽々と持ち上げる
しんかい6500のマニピュレーター(手)
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)YK07-15「よこすか/しんかい6500」による三陸沖日本海溝 深海生物調査採集潜航
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。
今回一緒に乗船している北里大学水産学部のホームページも同時にお楽しみください。
[ 北里大学水産学部ホームページはこちらから ]