きょうはハイパードルフィンの潜航はなしです。
きのう同様、5000mへ設置物を自由落下(フリーフォール)する作業で、こちらは午後2時頃に無事成功。
というわけで、生物の採集はありません。
それだと日誌がさびしいので、未紹介の生物を紹介してみようと思います。
まずは化学合成水槽でおなじみ、ゴエモンコシオリエビ。
今船にいるのは、ひとつ前の航海で採集されたものです。後半に余裕があれば、また採ってもらえるかも知れません。
次に、ガラスカイメンらしき生物の一部。
陸揚げされた時、ちょうどしなだれたトゲが白髪に見えるため、サンプルボックスを開けるのが怖い・・・ 。
ガラスの繊維は折れやすく、手でつかんだら大変な目にあってしまいそうです(先端恐怖症の方は実物を直視できないかもしれません)。
これは、アナゴの仲間でしょうか。
ハイパーからの映像はこのように様々な角度から生物をとらえ、映像におさめることができます。
アナゴのように、浅いところから深いところまで生息する生物は意外といて、みなさんが何気なく見たり食べたりする魚が深海魚だったりすることもあります。
夏の深海展では、そうした身近な深海魚の紹介もしたいなと思っています。
ヒラカメガイ(丸っこい)とウキビシガイ(尖っている)の殻。
500mより浅い場所では、底砂にたくさん混ざっています。
生きているときは肉の翼を持ち、羽ばたいて泳ぐクリオネの仲間です。
殻の模様がなんとなくウル○ラマ○に似ていると思うのは私だけではないですよね。
おまけ。停泊時に水面上ですくった稚魚(アジ?)です。
餌もよく食べ、実験室のマスコット的存在と化しています。
・・・ ネタがないかと思いきや、あれよあれよと書けてしまいました。あすは先日調査した地点へ再度潜航し、生物を採集します。
面白い生き物と会えることを期待します。
[きょうの写真] 上から順に
ゴエモンコシオリエビ
ガラスカイメン
アナゴの仲間
翼足類の殻
アジ類?の稚魚
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT08-12 「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ 深海生物調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。