いつもながら1tの海水を積むとトラックは山を登らず、下りはとまりません。エッチラ、オッチラ上って下りて、到着した時にはもう真っ暗でした。
いつもお世話になっている旅館の駐車場に車を止めると、一人のおっちゃんが話しかけてきました。
「水族館かぁ?なにしに来たんだ??」
「魚を採りにきたんですよ」
「魚か?」
「トロール漁船に乗せてもらって、生きている生物を分けてもらうんです」
「トロールで生きてるもんが上がるのか?」
「鮫とかエビやカニは結構生きて上がって来るんですよ」
「ほー、そうか、そうか、へ?」
せっかくなので、地元の方に美味しい夕飯が食べられる場所を聞いてみた。
「ところで、この辺でご飯食べられる所ってありますか?」
「お?そうだな?、そこ空いてねぇか、ちょっと待ってろ!」
おっちゃんはおもむろに走りだし、一つの店のドアを開けて、
「二人飯食いてぇんだってさ、できっか?」
のぞいてみると、中では貸し切って宴会をやっている様子・・・
「大丈夫だってよ!入れ!2階だ」
ほんとに??
と思いつつも、お言葉に甘えて上がらせてもらった。
せっかくなので深海物のメニューを探していると、店のおっちゃんが現れ、
「いらっしゃ、うちはよ、カツが自慢なんなんだ!
こんな所でカツなんて変わってんだろ!ははは!」
う?む、確かにと思ったが、北嶋さんは
「じゃ、私カツ丼で!」
自分は、負けずに煮魚定食を頼んだ。
しばらくすると良い匂いと共に煮魚がやってきた。
しかしメニューの写真とは似ても似つかない魚が煮られてやってきた。魚と言うより巨大な頭だ。
「こ、これはなんですか!?」
「カンパチだ」
「カンパチ!?・・・って煮ることもあるんですね」
「うまいぞ?!」
下で舟盛りが出ていたから、なるほどと思ったがキンメの煮付けなんかよりよっぽど食いでがありそうだ。
というより一人で食うには大きすぎる。
でもこれが美味しかった!
頭と腹があったが、腹の肉はトロトロしていて柔らかく、頭の肉はさっぱりしていてとっても良い!
せっかくなので北嶋さんにも食べてもらって、代わりにおっちゃん自慢のカツを一切れもらった。
確かにカツはうまかった!
肉がサクっとしていて歯ごたえが素晴らしかった。
港町のカツも侮れない。
「二人でこの煮魚一つでも十分だったかもね」
と言いつつほぼ一人でカンパチを食い尽くした。
帰り際に店のおじちゃんがミカンをいくつもビニールに入れて、おみやげにくれました。
戸田はとっても暖かい町です。
お茶をがぶ飲みしていた北嶋さんが少し気がかりだけれど、聞くと
「お茶は大丈夫!」
といっていたので・・・大丈夫でしょう!きっと。
旅館に入り、部屋に分かれ早めの就寝。
あすは3時半には乗船です。
つづく
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。