本日はタイトなスケジュールで、2回の潜航がおこなわれました。
それぞれ、シンカイヒバリガイ類とゴエモンコシオリエビをメインターゲットにし、各種採水、地質(チムニー欠片)なども必要分確保することができました。
研究者たちは朝から晩まで各々のサンプル処理、船上実験に大忙しです。
水族館はその妨げにならないように生物の世話です。
たくさん用意した水槽が早くも手狭になってきました。
さて今回採集された生物の中で一番多く採集されていながら、誰からもターゲットとされていない不憫?な奴がいます。
「キノミフネカサガイ」。
大きくても殻長5mmほどの巻貝の仲間です。
この貝、ゴエモンやヒバリガイの体にたくさん張り付いているんですが、その存在はスルーされがち。
その暮らしぶりは不明な点が多いまま?脇役街道をまっしぐらな生物なのです。
今回の水族館のもう一つの目的は、この貝の生態を調べることとしました。
どんな所にどのぐらいの数が張り付いているのか、水槽内ではどう動いていくのか、飼育係の目線から追ってみたいと思っています。
というわけで昨晩からきょうと、時間があれば研究者が「処理」し終えたゴエモンやヒバリガイからキノミを採取しながら記録し続けてます。
生物のためにと気温 5.5℃の部屋に何時間もこもってますので、作業の後の海水風呂は体の芯まで温まる気持ちよさです。
[きょうの写真]
ゴエモンの背中につぶつぶと
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-11「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ・伊平屋北熱水活動域及び鳩間海丘における深海調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。