この「よこすか」と、無人探査機「ハイパードルフィン」の母船である「なつしま」には低温室があります。
これは数年前から設置されたのですが、これができたことにより船上で多くの水槽を使用できるようになり、飼うのもとっても楽になりました。
これを思いついて設置してくださった方には感謝です!
低温室の広さは三畳ほどで、ここに今回は 60cm水槽を 4本、そして貯水槽 1本を置いてあります。
低温室の設定温度は 3℃、水槽の水もこの温度付近まで下がります。
しかし、時間がかかるので貯水槽には冷水機が設置してあり、大量の水換えにも耐えられるよう急速に冷やせるようにしています。
貯水槽といっても 200ℓほどしか貯められませんので、水槽 2本をフルに交換したらなくなってしまいます。
各水槽の状態を良い状態で保つためには、貯水槽が速く冷えることはとっても重要なのです。
さて今回はターゲットが主に深海性の巻貝。
貝・・・ これが曲者なのだ。
深海の熱水域では貝が生息していることが多く、船上でも貝を水槽で飼育することが多いけれど、水の汚しっぷりが半端じゃない。
今回も例にもれず貝の水槽はすぐに白濁。
水をいくら換えても白濁白濁・・・ 。
大概は死んでしまった貝などが原因となるけれど、今回は明らかに死んでいるものが見当たらなくても水が濁ります。
なぜ?なぜ??なぜ???
なぜなんだ~!?
理由がわからないときはときは、とにかく水を換えるしかない!
朝起きて水換え、昼に違う水槽の水換え、夜中に朝に換えた水槽の水換え・・・ 。もう水換え祭り状態。
祭りの合間に「しんかい6500」潜航状況を見に行ったり、生き物の数やサイズの計測、写真やビデオ撮影なんかをする。
今までで一番忙しい航海だ・・・ 。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)YK09-13「よこすか/しんかい6500」によるインド洋深海生物調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。