「 10時過ぎに出ます」
「はい、了解しました」
ようやくチャンスがやってきました。
「クラゲがいるといいねー」
「いえいえ、まずは魚を獲ってください!」
クラゲ採集なんて、本当は面倒で余計な仕事なのでしょうが、気のいい漁師さんたちはみんなで協力してくれます。
網を絞っていくと、イカ、カワハギ、マダイ、イシダイ、サワラ、ハマチなどが現れ、それに混じって黄色い海坊主のようなエチゼンクラゲの頭(傘)がプカプカしているのが見えて来ました。
いつもは鉤で引っ掛けてじゃんじゃん網の外に捨てるところを、生かして持ちかえるべく、大きな網を使って、手間をかけて掬ってもらいました。
港に戻り、魚の仕分けが済んでから、傘の直径 100cm前後の巨大クラゲ 12個体を 2つのダンベ(魚を入れるのに使う大きな容器)にクレーンを使って収容しました。
「おお、まだ生きとるね」
漁師さんたちも気にしてくれます。
さあ、あとはここからポリプが採れるかどうかです。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。