みなさまこんにちは。
最終日、再びみんなで姉沼に向かいます。
午前中は、沼のほとりで貝の生息実態を調べます。
胴長靴をはいて、先生と私の二人で沼に入り、水温や底質を一通り調べてから、「鋤簾(ジョレン)」と呼ばれる貝の漁具で、一定区間に区切った枠の中をひたすらかき取ります。
いるわいるわ、貝だらけです。
20cm以上あるイケチョウガイやカラスガイに混じって、5~6cmのヨコハマジシラガイやドブガイがごろごろ入ります。
他の県では生息地を見つけるのも難しい絶滅危惧種の貝が、状態よく生息していることが分かりました。
午後は大学に戻り、きのうセットした実験水槽に向かいます。
うまくすれば、魚の体から離脱した稚貝が出ているはずです。
注意深く顕微鏡でチェックしていくと、ある魚種の水槽から、足を伸縮させてはい回る、妙な幼生を見つけました。
これこそイケチョウガイの稚貝です!
このように離脱したての稚貝は、大きさや形が幼生時代とほとんど変化していません。
ただし中身は大きく変化しており、大人の貝にあるような、2つの貝柱や、内臓、良く動く足ができあがっています。
「生きた稚貝の動き」と「それに興奮する先生」に学生たちも大はしゃぎです。
しばらく観察を続けながら、他の二枚貝の稚貝との判別点など確認しながら、気づけば学生さんも、のめり込んでいます。
・・・ふと時計を見ると、新幹線の時間が近づいています。
後の観察は学生さんに任せて、青森を去ることにしました。
いつもとは一風変わった日誌、クラゲも魚もほとんど出てきませんでしたが、お楽しみいただけましたでしょうか。
調査は継続していますので、また面白いことが分かったらお伝えできるかも知れません。
それでは。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。