JAMSTECの研究調査船「なつしま」に乗り込み、横須賀を出港し調査海域である明神海丘まで到着するまでには丸1日。東京湾を南に走り、房総半島を越えて外洋にでたら飼育の準備を開始します。
「なつしま」の実験室では蛇口から海水も出るような作りになっていて、海水は船の外からポンプでくみ上げています。
外洋に出ると、これまで濁っていた海の色が鮮やかな濃い青に変化し、プランクトンもゴミも少ない綺麗な海水になります。
これを水槽に貯め、あす採れるだろう生き物たちのために 4℃まで冷やします。
「なつしま」には水槽が並べられるほど巨大な冷蔵庫があり、ここに水槽 7本と貯水槽を置き、急速冷却用のクーラーを設置しています。
船上での飼育は水槽の容量に対して生物が多すぎるため、濾過装置はあまり役に立ちません。
さらに採集直後の生物(特に貝)はストレスからなのか、粘液などを分泌するので、飼育水は濁り、泡だらけになってしまうので呑気に濾過装置の活躍をまっていられません。
汚れたら水を替えるのが一番です。
こらから約10日間、水替えに明け暮れるのです。
この航海は前航とは違い、波も穏やかで、週間予報も悪くありません。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
本調査は、JAMSTECが東京都から特別採捕の許可を得て行っているものです
JAMSTEC(海洋研究開発機構)NT14-06「なつしま/ハイパードルフィン」による複数の海山カルデラ周辺における底生生物群集調査
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています