みなさまこんにちは。
私は今、柿野先生と学生3名とともに姉沼の中にいます。
今回のメインは沼の生物による貝殻利用を調べることです。
生きたイシガイ類がタナゴなどの魚に産卵基質として利用されることは広く知られています。今回はちょっと視点を変え、貝殻に注目します。
沼の中は岸辺にヨシやマコモが繁茂するものの、それより沖は一面の泥。泥底に半ば埋もれた貝や貝殻が水底にわずかな凹凸や隙間を作り出しています。
それを利用する生き物がいないかを調べるのです。
調査はまず、園芸用のポールを一定間隔で泥底に突き刺していき、正方形の調査区(コドラート)を 20か所以上つくり、コドラート内の貝の数や水質を測定していきます。
ひたすら地道な作業、これこそ生態研究の王道であり、この分野の研究が他分野よりも時間も手間もかかるといわれる所以です。
測定が終わったらコドラートを網で取り囲み、水底の生き物をすべて採集していきます。
多くはヒメタニシやカワニナといった巻貝です。
数えるのは後回し。
ひたすらに拾い出して、コドラートごとにまとめていきます。
せっかくの晴天、明るい時間をフル活用して、夕方まで続けます。
時折、魚も入ります。貝の中から出てきたばかりのタナゴの稚魚や、ジュズカケハゼ、ヌマチチブの幼魚たちです。
これらはすぐに測定して放流。
学生さんたちは忙しいなかでも絶えず会話を弾ませながら、さながら沼上のファミレスか?といった雰囲気ですすんでいきます。
それに合わせてちゃんとのっかる柿野先生もさすがです。
そして夕方。
薄暗くなり、やっと本日の作業が終了です。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。