みなさまこんにちは。
今回はかなりマニアックな内容です。
「外来種」って知っていますか。
本来の生息地から、人の手によって移動させられ、その先で生き延び、殖えてしまった生物のことです。
外国から日本に来たものを「国外外来種」、日本の別の地域から来たものを「国内外来種」と分けたりします。
実は昨年、当館からそう遠くないとある田園地帯で、2種類の外来種を見つけてしまったのです。
どちらも巻貝です。
この春、自身の二枚貝の研究発表のために参加した学会でその話をしたところ、興味を持ってくださった方々がおられました。
今回、その専門家のお一人、相模貝類研究談話会の福田良昭会長とともに、それらの貝を見つけてみようということになり、いざ現場へ。
詳しくはまだ伏せますが、現場は小さな川のほとりにある草地と農地です。
神奈川県の南側では奇跡的に残された里山的環境であり、ホウネンエビやトウキョウダルマガエルといった面々が今も見られる「イイ感じ」の場所です。
現場に到着するや否や、昨年の記憶を頼りに、1種類目の外来種を見つけた地点に向かいます。
砂利道のわきに生えたススキなどの草地で、おもむろに四つん這いになり、かき分けて「奴」を探します。
数分後、あっさり発見。
コハクオナジマイマイです。
本来は西日本に生息する、日本の本土で最も美しいカタツムリの一つです。
貝殻の真ん中あたりの鮮やかなレモン色は内臓の色。薄い貝殻を透けて見えているのです。
東日本では 30年ほど前に千葉県で見つかって以来、他県でも確認が相次ぎ、神奈川県においては、福田さんにより1998年に平塚市で初記録され、その後 茅ヶ崎市、寒川町、小田原市、伊勢原市、中郡大磯町、中郡二宮町、厚木、秦野市、で記録され、大井町、相模原市でも市民の方からの情報提供がされているそうです。
すでに知らないうちにみなさまのお庭や花壇にも、お花の苗などに混じって入っているかも知れないので、ちょっと気にしてみてください。
本種の情報として、寿命が1年で、晩秋に卵を産んで一生を終えること、卵からふ化した稚貝の状態で冬越しすることが明らかになっています。
確かにここでも、冬越してこれから成長か、という小さなサイズが多く見つかったのですが、中には少し大きめのサイズも。
もしかすると晩秋に死なず、そのまま冬を超えた個体もいるかも知れないと話していました。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。