2006年08月25日
トリーター:伊藤

水族館で重宝する「蚊」?


暑い夏が好きな人苦手な人いるかと思います。
私は夏がとても好きです。生き物がたくさん出てきて川や田んぼに行くのが楽しくなりますからね。
ただし、夏といえば蚊も多くなりますから、あんまり外に長くいると刺されてかゆい思いをしてしまいますよね。
みなさんの中にも『蚊が好きな人』というのはあまりいないと思います。
でも、水族館では蚊はとても役立つ生き物だって、みなさん知っていますか?

魚の餌に使っている「赤虫」。
板チョコのように固められて冷凍されて売られていて、衛生的で美味しい(嗜好性が高い)優れた餌です。
糸ミミズの仲間か何かだと思っている方も多い事でしょうが、実は赤虫、「ユスリカ」という蚊の幼虫なんです。
自然では水底の泥の中に潜って暮らしています。
ユスリカはいわゆる普通の蚊(イエカなど)と違って、人を刺しません。
原っぱや林の出口で大群の蚊が竜巻のように立てにグルグル飛んでいるのを見たことがありますか?
蚊柱といって、あれを形成している蚊がユスリカだとされています。
ちなみに普通の蚊のボウフラも欧米では熱帯魚のよい餌として使われているらしいです。
草むらの影などに水をいれたバケツを置いておけば「わいて」きますが、放っておくと蚊になって刺してきますから、注意してくださいね。

最後に少し学術的なお話を。
アカムシは環境のよごれ具合などを示す指標生物として環境調査の上で重要な生物ですが、実は研究があまり進んでいないのです。
アカムシの同定(種類を割り出す)ができれば、調査の際に結構なスキルとして認められる場合があるくらいです。
生き物の中には、深海魚など以外にも、身近なところにまだまだ分かっていない生物がたくさんいるんですね。

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