2006年11月20日
トリーター:三宅

寒いのは海の循環動力

きのうからぐっと寒くなりましたね。
寒くなると、朝起きるときに布団から出たくなくなり、外に出るのが嫌になりますが、みなさんはどうでしょう。
でも、自然界ではこの寒くなることはすごく大事で、海でももちろん大事な現象なのです。

春から夏の間にはたくさんの生物が活動して、その死骸や糞が海底にたまっています。これらは微生物に分解されて生産者である植物が利用できる栄養分となり海底にたまっています。寒くなると冷たく冷やされた海水は重くなって、底の方に沈んでいきます。すると底にあった栄養分たっぷりの海水は押し上げられて表面まであがってくることになり、海が栄養分豊かな環境になります。
今の時期からだんだんワカメやコンブが胞子から発芽して成長してきます。この養分を利用してどんどん大きくなっていくのです。
もし、寒くならなければ栄養分がまわってこないので、コンブやワカメは大きく育たないでしょう。

大きく視野を広げて海全体を見ても、冷えるということはすごく大切です。極域で冷やされた海水は深海にまでぐっと潜り込み、地球全体の海洋大循環の原動力となっています。地球温暖化が進むと、冷たい水の潜り込みが無くなってしまうので、海洋大循環が止まってしまい、海は死んでしまうかもしれません。単に寒い、冷えるということなのですが、地球にはすごく大事なことなのですね。これからは秋、冬になって寒くなってよかったと思うようにしましょう。

でも、寒いのは嫌ですね。

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