2010年12月05日
トリーター:伊藤

白「赤」つっけーろー


相模湾キッズ水槽では、子どもから大人まで分かりやすい生物をクローズアップしています。
「大きくてかっこいい」
「子どもの図鑑に必ずのっている」
「見た目がかわいらしい」
といった具合です。
そんな中、今回マニアックな生物好きの私がつい展示した生物がいます。

一番右側に新登場した「イイジマフクロウニ」。
フ○ー○の宇宙船のような体はその名の通り、フカフカとしたパンのようですが、無数に生えた棘には激烈な毒があるらしく(重篤な症状が出る場合もあるそうです)、「怖いもの見たさ」を満たす魅力にあふれています。

フクロウニの仲間は江の島周辺でも漁師さんの刺し網にからまって来ます。
漁師さんもフクロウニの毒にはかなり警戒していて、網を持って振り落としたり、頑丈な手袋をして外したりしていましたが、それでも外れず、網を破くはめになることもあります。
目の前で漁師さんがさされてしまった時もありました。
ちょっとのことは我慢して動じない漁師さんも
「いってーなー」
「いつまでも嫌な痛みがあるなー」
と思わずもらしてしまうほど、強力な痛みのようです。
さて、イイジマフクロウニの体をよーく観察してみると、1cmくらいの白と赤の縞模様のカニがつかまっています。
その名も「ゼブラガニ(シマウマのカニ)」です。
イイジマフクロウニの毒棘に囲まれて守られながら、ウニの体表をちまちま食べて暮らしています。
ウニにとって何か得があるのかは不明です。
とても小さく、角度によっては見えない時もありますが、もしよろしければ探してみてください。

イイジマフクロウニとゼブラガニイイジマフクロウニとゼブラガニ

相模湾ゾーン

RSS