2006年08月12日
トリーター:三宅

新しい生物が仲間入り


沖縄の石垣島の北約 30kmほど沖に鳩間海丘があり、そこの水深 1,500mのところには熱水噴出域があります。
その熱水の温度は 300度以上にもなります。
普通 水は 100度で沸騰しますが、300度まで熱くなるのは 150気圧という水圧がかかっているからです。
逆に富士山の頂上では気圧が低くなるので水は 70度位で沸騰してしまいます。
このような高温の熱水が噴出している周りに住む生物達が深海コーナーに仲間入りしました。

海洋研究開発機構のハイパードルフィンで採集されたイトエラゴカイの仲間、オハラエビの仲間、フジツボの仲間です。
このなかでもイトエラゴカイの仲間は水温が 50度にもなるところにも平気で棲んでいるいきもので、この仲間はもっとも高温に棲むことのできる大型動物です。
近縁のポンペイワームと呼ばれる仲間は 80度でも平気だそうです。

話は変りますが、ポンペイワームでふと思いました。
いつも深海コーナーのハオリムシの展示の前でこれはムシなの?という言葉をよく聞きます。
ハオリムシは英語圏ではチューブワームと呼ばれます。
ワームというのが日本語ではムシになってしまいます。
このムシというのは漢字で書くと「虫」になりますが、これはヒルやミミズみたいなものも含めた意味があるのです。
実際にミミズは蚯蚓、ヒルは蛭と書きますよね。
みなさんが、カブトムシやハエやアリなどのような「ムシ」をいう場合は、本当は「蟲」と書くのです。
「風の谷のナウシカ」にでてくる「オウム」は「王蟲」とかきますね。
まさに王様の「蟲」です。

イトエラゴカイの仲間イトエラゴカイの仲間

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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