2009年09月24日
トリーター:足立

えのすい → 極楽


毎年 9月20日から26日までは、動物愛護週間です。そのため、この期間に動物の慰霊祭をおこなう水族館や動物園も多いようです。

新江ノ島水族館でも、今年は 9月24日に、慰霊祭がしめやかにとりおこなわれました。
寿命や病気などで死んでしまった水族館の仲間たち、今までありがとう、そして安らかに眠ってください、という気持ちを込めて、私たちスタッフも、お焼香をして祭壇に手を合わせました。

この時期というのは、実は、秋のお彼岸の季節でもあるのですね。
秋分の日を中心に前後 3日ずつの合計 7日間がお彼岸で、20日が彼岸の入り、26日が彼岸の明け、真ん中の秋分の日が「お中日」と呼ばれます。
「彼岸」は、この世とは違う向こう岸の、極楽浄土の世界。向こうの世界に行ってしまった魂を供養するとともに、まだ向こう岸にたどり着いていない魂が早く到着できるようにと祈るのだそうです。
慰霊祭は、もともとは動物愛護週間の時期に合わせて設定された年中行事なのでしょうが、お彼岸とも重なっていて、なんだか、よかったなあと思います。

話は少しそれますが、秋分の日は、ご存知の通り、太陽が真東から昇って真西に沈む、夜の長さと昼の長さが同じになる日です。
「彼岸」は、「日願」でもあり、西方浄土(極楽浄土)のある西の方角に沈む太陽を拝むことにも繋がっているとか。
私も、死んだら極楽に行ければいいなと思いますが、その前に、いま飼育している生物たちがこの飼育環境を「あ~、極楽、極楽」と感じてくれるように、そして、水族館を訪れたお客さまには極楽に来たような幸福感を味わっていただけるよう、もっと頑張らねば、私の極楽行きは、まだお預けのような気がしています。

極楽?極楽?

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