みなさんこんにちは!八巻です。
きょうで航海5日目となりました。
きのう 4月30日から、いよいよ南大東島近海の調査が始まっています。
きのうは今回乗船している「かいめい」に搭載されている「KM-ROV」で、本航海初の潜航調査を実施しました!
ROVとはケーブルを通して船上から操作を行う水中ロボットのことです。
そしてついに水深約 800mで海底が見えました!
しばらくすすむと、洞窟らしき海底地形も発見です!
今回は深海の洞窟にすむ生き物を探るということが一つの大きな目的ですから、期待は膨らむばかりです!
他にも目立った生き物は、ウデボソヒトデです。
とにかくたくさんいました。
江の島沖でも見たことがありますが、こんなに群れているようすは見たことがありません!
ついでに江の島沖のイツメン、アズマハナダイもいましたが、とても大きな個体でした。
ウデボソヒトデがトリノアシに変わったら、江の島沖とよくにているかも?!
朝8時に始まった潜航も、気がつけばもう夕方4時、浮上予定時刻になってしまいました。
観察をしつつ、サンプリングできるものはスラープガンという水中掃除機を中心に採集を実施、揚収となりました。
揚収後は乗船研究者の方々が各サンプルをとりわけ、同定をしたり、いろいろな実験をおこないます。
クラムボンは KM-ROV よりはかなり小型の水中ロボットですが、当館で使っている水中ドローンをみなれていると、とても大きく見えます!
クラムボンでは、KM-ROV では浅すぎて潜ることのできない 300m以浅を見るということを第一の目的としています。
クラムボンの1潜航目、最初にやや深めのところに潜り、そこから深度を上げていこうという作戦でした。
しかし、深く潜っていくと途中から映像が乱れるようになってしまい、揚収を余儀なくされました。どうやら光ケーブルに不調があったようで、そこを改善して再度潜航です!
航海でトラブルはつきものです。どうしてもトラブルは起きるし、トラブルを完全に避けることはできません。予備を用意しておくことやトラブルがあったときにどう対処するかを考えておくことなど、トラブルに事前に備えるというリスクマネージメントは、航海においてはもちろん、日常生活でも大切なことだなと、航海のたびに思い知らされます。
2潜航目で無事水深 600mほどの海底に着底、観察を開始しました。
海底はまるで雪山のような景色でした。
全体的にきのうより生き物が少ないように思えまいたが、随所で生物を観察することができました。
潜航の時間が2時間ほどということで、あまり時間がない中ではありましたが、生物の観察およびサンプルの採集を有意義におこなうことができました!
今回のサンプルは砂です。
砂の中にはいろいろな小さな生き物が隠れていて、研究者の方々は顕微鏡を使って小さな生き物を探します。
ヘイケガニの仲間も出てきました。
きょうは晴れて、とてもきれいな夕焼けを見ることができました!
航海は普段見ることができない特別な景色をみることができるのも、また楽しくうれしいところです。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
本プロジェクトはオーシャンショット研究助成事業の助成を受けたものである。