大東島の調査も残すところあと 4日。5月 8日はクラムボンで再び 600m域を観察、5月 9日は先日発見した洞窟を探査しました。
きょうの日誌では、まず連日盛り上がりを見せている釣獲調査の成果をご紹介しましょう。
以前も少し紹介しましたが、今回は ROVでは採集が難しい魚種を狙って、船総出で釣獲調査をおこなうことにしています。
ROVは大きな音を出して潜航するため、大型魚の多くは逃げてしまいます。
小さな魚でも ROVで採集するにはスラープガンで吸うしかなく、大抵の魚には逃げられてしまうのです。
釣獲調査は主に移動の少ない日、日中の調査が終わった後夕方から夜間にかけておこない、大小さまざまな魚が釣れています。
日が暮れるまでは比較的小さな魚ですが、釣れる魚種が多い印象です。
オキアジ、ハチジョウアカムツ、ヒシダイ、チカメキントキ、オキエビス、バケムツ、オカムラギンメ、ハマダイ
大型魚は大きすぎて標本にできないものもありますが、やはり盛り上がります。
キハダやバラムツなど大物が針にかかるといつしか人が集まり、みんなで観戦モードとなります。
特に巨大なキハダがかかったときは、船総出で固唾をのんで見守り、1時間以上の死闘を制してついに釣りあげました!
ちなみにこのマグロは司厨部の方が数日に分けてお刺身やカツにしてくださり、みんなでおいしくいただきました!
標本にできる魚は、魚チームが組織標本をとって、鰭立てをして標本写真をとります。
標本写真はとてもきれいに仕上がり、技術力の高さを感じます。
また、今回はクロシビカマスやバラムツなどの肉食魚が多く採集できたため、胃内容物を調べると食べられた魚が出てくることが多く、それらも貴重な標本となったようです。
このまるで鵜飼のような新戦法も、何が出てくるかわからない楽しさがあり、とても盛り上がりました。
ちなみにバケムツを1匹飼育用とすることができました。生かして持ち帰れるように頑張ります!
さて、次は Mini-ROVを使った洞窟探査です。
今回の調査の目的でもあった海底洞窟の生物相を明らかにするという、大目的のひとつがようやくきょう達成できました!
KM-ROVでは遠巻きにしか見ることができなかった洞窟ですが、Mini-ROVを使えば間近で観察することができます。
洞窟に入っていく Mini-ROVの姿は、宇宙感漂う不思議な光景です!
KM-ROVから Mini-ROVを見ていると、いつもの水中ドローンを使った江の島沖の調査のときも、あんなに岩の近くで観察しているんだと、そんな驚きと発見もありました。
3時間ほどの Mini-ROV洞窟探査。
スラープガンでサンプルを採集することにも成功し、無事 KM-ROVに帰還しました!
これで大東島もあと2日を残すのみです。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
本プロジェクトはオーシャンショット研究助成事業の助成を受けたものである。