みなさんこんにちは! 八巻です。
5月 6日、7日は南大東島および北大東島の海域について、KM-ROVの潜航を中心におこないました。
今回の D-ARK調査も潜航を重ね、大東島周辺の海底について、だんだんと特徴が分かってきました。
南北大東島周辺の海底は、それぞれ島の外縁がそのまま非常に急峻になっていて、水深 800m~1,000mほどまで、ほとんどすべてが、45度以上、時には垂直やオーバーハングしているほどの急な角度で深く落ち込んでいく地形になっています。
底質は基本的には岩肌がそのまま見えており、ときどき溝や平らな海底など、砂が集まっている場所があります。
集まっている砂も、正に浅海でみるような白いサンゴ砂で、一部礫のようなところもみられるものの、泥状の場所は見られません。
生物相についても特徴があります。
ヒシダイやシャチブリ、ヒウチダイ類、シロカサゴ類、フサカサゴ類など比較的幅広い水深で見られる魚種もいれば、水深 600~400mとやや深めの海底で見られるソコダラ類、サンゴイワシ他 特定の魚種がいたり、エビスダイ類、ハナダイ類やウツボ類など比較的浅いところでのみ見られた魚種もいました。
無脊椎動物もある程度の決まった傾向が見られます。
深いところでは思ったより刺胞動物が少ない印象ですが、ところどころに八放サンゴ類やスナギンチャク類、イシサンゴ類が見られます。
やや浅い 300m付近から、特定のオオキンヤギ類が急に増えてきます。大きなイソギンチャク類が頻繁に見られた調査ポイントもありました。
また、なんといっても 以前の日誌 でも触れさせていただいたウデボソヒトデがものすごい密度でいることが、この海域の特徴です。
約 500~300m付近の幅広い水深で多く見られ、特に潮通しの良い場所、岩の上や穴の縁などに集まっているようすが観察できます。
さて、こんな特徴を持つ海域ということが分かってきた南北大東島の周辺ですが、これまでは D-ARKの大きな目的のひとつである「洞窟」の発見には至っていませんでした。
が、ついに!
5月 6日に南大東島 400m付近、5月7日に北大東島の 300m付近で、それぞれ直径 10mは超えるであろう大きな洞窟がぽっかりと大口を開けているところを発見したのでした!!
それぞれ明後日 9日、明明後日 10日に MiniROVを使って中を観察予定です!
穴の中でどんな出会いが待っているのか、本当に楽しみです!
あしたはクラムボンが改めて登場です!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
本プロジェクトはオーシャンショット研究助成事業の助成を受けたものである。