みなさんこんにちは! 八巻です。
D-ARK南北大東島の調査もついに、きょうの調査をもって今年度は終了となりました!
きのう 5月 10日は Mini-ROVを使った洞窟調査の2日目、きょう 5月11日はこれまで見ていない南大東島の南沖の海底を観察しました。
4月 29日から始まり、13日間かけて生物採集、採水、環境 DNA採取、さまざまな方法で調査を実施、各分野の研究者の方々が全力で標本処理や実験・解析をおこないました。
成果は今後論文化されることで少しずつ公にされていきますが、今回の調査で新たに分かったことがたくさんあります。楽しみにしていてください。
私はこの日誌や展示を通じて、今回見てきた大東島の深海底にひろがる世界をみなさんに発信していきます!
そして D-ARKは今年度だけで終わらず、来年度、再来年度と続きます。
今年度の調査結果をもとに、来年度の調査をより良いものにできるよう、準備をおこなっていきます。
私自身も今年度の調査では悔しい思いをすることがありました。
その結果と想いを来年度につなげ、更なる成果を残していきたいです。
きょうの日誌では 5月 11日の南大東島南沖の海底のようすをお届けしましょう。
これまで見てきた大東島の海底は、ほぼすべてが急峻で、垂壁があったり、大きな洞窟があったり、とてもダイナミックな景色でした。
ところが、最終日に潜航した南大東島南沖の海底は、そんな海底を見てきた私たちも驚くくらいの起伏に富んでいました。
まずは水深約 680mに着底、とても大きな岩がごろごろと転がっていました。
今回初めてハダカイワシ類の群に遭遇しました。
以前相模湾でも 600m域で遭遇したことがありました。種は異なりますが、ハダカイワシ類は日周鉛直運動をすることでも知られており、日中は深い海底に来ているため、遭遇したのかもしれません。
ようやく着いた巨塔の頂上。海底から 100mはあろうかという高さです。
塔の上は今にも崩れ落ちそうなオーバーハングが広がっていました。
おそらく昔は本当に巨大な鍾乳洞で、壁が崩れ落ちて塔のような構造や天井の一部が残ったのではないかと想像しました。
進むほど複雑な構造物が見えてきて、本当にダイナミックです。
オーバーハングを登りきると、そこはキサンゴ・ヤギ類が群生する海底が現れました。
300mほどの開けた場所の傾向としてはこれまでの通りです。
その後最後にとても魅力的な地形を発見!複雑に入り組んだ壁と洞窟が合わさったような地形です。
今すぐ Mini-ROVをもってきて大穴の中を見たい!という想いをこらえ、来年度のお楽しみということになりました。
さて、D-ARKとしての大東島調査はきょうをもって終わりですが、あすの半日の回航後、新たな調査海域、九州パラオ海嶺での生物相調査が始まります!
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
本プロジェクトはオーシャンショット研究助成事業の助成を受けたものである。